キーボードを自作したお話 [1]
昨年の自粛期間に作ったキーボードの話を数回に分けて書こうと思います.
電機関係にはめっぽう弱い機械科の学生がどうやってキーボードを作ったのか記録しておきます.
さて,
キーボードが必要と思った時に,いきなり「作ろう!」となる人はいないでしょう.
私がキーボードを作るに至った経緯をはじめに記述しようと思います.
買ったキーボードが気に入らなかった
私の家にはノートパソコンしかなかったため,コロナ渦における在宅時間の増加に伴ってキーボードを買いました.そのキーボードをしばらくは使っていたんですがどうにも気に入らなくて...
それで結局作っちゃったわけなんですけど,まずは最初に買ったキーボードについて少し書いときます.
私がキーボードを買う際に気にしていたことは以下の通り,
1.メカニカルキーボードであること
ノートパソコンのぺちぺちとしたキーボードから脱却すべく買うのでメカニカルキーボードであることは譲れない条件です.
2.60%程度のサイズであること
60%のキーボードを選ぶ理由としては,サイズ感といった理由が大半だと思います.私の場合は,テンキーを左手で使うという特殊環境のため右手側にテンキーは必要ないためフルサイズキーボードは条件に合致しません.Fキーも頻繁に使うわけではないのでコンパクトな60%がよかったわけです.
3.値段が手ごろであること
学生ということで金銭的に余裕が無いのは言わずもがなといった感じでしょう.値段を気にしないのであれば選択肢は大いに広がるのも事実です.
4.独立したEscとDelがあること
CADなどを頻繁に使う私にとってはEscとDelが独立したキーであることは譲れない条件です.60%の場合はDelは独立していないため,65%キーボードが適合しそそうです.
この4つの条件を良い感じで満たしてそうだったのがこちら,
キーキャップが変わってるのでわかりづらいですがこの製品です.
cherryMXの茶軸,赤軸もしくはOutemuの茶軸,赤軸の4つから選択可能です.私が買ったのはOutemuの赤軸です.
使っていて感じた問題点は以下の通り,
・キースイッチが合わない
赤軸では重くて長時間使ってると指が付かれてしまうことが度々ありました.特に小指を使うキーは赤軸では重くて厳しい印象でした.多くの既製品のキーボードでは赤軸や茶軸,青軸は選択できますが,それ以外を選択できるものは稀(というか見たことないかも)です.これが一番大きな理由と言えるでしょう.
・打鍵感がよくない
これはキーキャップがキースイッチを固定している板にあたっていたため,ごつごつとした打鍵感でした.のちにキーキャップを変更することでこの問題については解決しています(だいぶ先の話).
・配列が気に入らない
65%のキーボードでは右端に1列(2列)追加でキーがあるものを指しますが,これが意外と使いづらい.DelはEnterの右上なのですが,その上にあるInsrtと打ち間違いが多く,それ以外のキーについては使わない事もあり,必要性を感じていませんでした.60%のほうがもっとコンパクトでいいじゃん!って思ってました.
これら問題点をすべて克服したキーボードを探すくらいなら自作した方が早いんじゃないのかと思って最終的には自作に踏み切りました.
なぜ自作?
自作キーボードと一口に言ってもどこまで自分で作るかという問題があります.
大きく2つに分類されるのではないでしょうか.
・一般的な”自作キーボード”
一般的に,単に”自作キーボード”と言えば既存の部品(PCBやキースイッチ,キーキャップ,ケースなそ)を自由に組み合わせて”組み立てる”ものを指すように思います.キーボードを構成する部品を自由に選択でき,はんだ付けができれば完成させられる(おそらく)というのが特徴ではないでしょうか.
メリットは,完成されたキーボードに比べて自由度が高く,比較的簡単に作ることができることだと思います.
デメリットとしては,部品を個々に買わなくてはいけないので当然コストは高くなります.
・全部作る”完全自作キーボード”
何をもってして完全なのか,と言われそうですね.先ほど紹介した”自作キーボード”ではPCB(基盤)やケースなどは既製品を購入することになりますが,”完全自作キーボード”ではPCBなどを含めて作れるものを全部作ることを指すと勝手に思ってます.
メリットは,自分だけのロマンキーボードが作れることです.特殊な配列や分割キーボードも作れます.
デメリットとしては,難易度が高いことでしょう.気軽に手を出すのは危険です.
完成されたキーボードで満足できない人の大半は自作キーボードをすればその不満が解消されると思います.難易度もそれほど高くなく,費用としても驚くほど高いわけではありません.専門的な知識もさほど必要としないのではないでしょうか.おすすめするとすれば間違いなく一般的な”自作キーボード”です.
で,どっちにしたのか
私は”完全自作キーボード”に手を出しました.合理的に考えればそこまでする必要はないのでしょうが,組立てキット程度の難易度では自粛期間であり余った時間を消費しきれないと判断したためです.
なんかとってもわくわくしますね.
さて,具体的にどの程度作るかが問題です.
PCBと呼ばれる基盤を作るのがメインになりますが,ケースまで作ることにしました.
PCBの設計に大半の時間がかかってます.キースイッチ,キーキャップは市販されてるものを組み込むことにしました.
といった感じではじめた完全自作キーボードですが,想像していた以上に時間もお金もかかりました.当初の目的はどこへやらといった感じですが,そこについては気にしたら負けです.
次回は実際に作り始めるお話です.気が向いたときに書きます.
ではでは~
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