左にテンキーがあるキーボードが作りたい [5]

左にテンキーがあるキーボードが作りたい第5回です.
前回はPCBのレイアウトを決めましたね.


今回はKicadで設計した基板をFuison360で扱うことのできる3Dファイルへと変換してボディの設計に移りたいと思います.

そんなに簡単にはいかない

ただ単にSTEP形式で基板をエクスポートするだけの話なんですが,そんなに簡単にはいきません.

標準のライブラリにあるフットプリントには個別の3Dデータが紐づけられています(一部部品を除いて).そのため,それらフットプリントを使った場合には,特に気にすることなくエクスポートできます.

注意しなくてはいけないのは,新しくフットプリントを作った場合です.

標準のライブラリに必要な電子部品のフットプリントが無ければ,フットプリントエディターでフットプリントを新しく作ることになります.この場合3Dデータは新たに紐づけなければ,ビューアーで3Dモデルは表示されず,エクスポートした場合にも電子部品の3Dデータはありません.


キースイッチはKicadの標準のライブラリにフットプリントがありますが,それらは3Dデータが無いものになります.さらに,標準のフットプリントライブラリは編集することができないため,これは使えないことになります.

ライブラリにあるフットプリントを名前を付けて保存し,新たにパスを設定していきます.
フットプリントのプロパティから,3D設定の項目に移動します.


テキトウな場所に保存した .stepの3Dファイルを選択し,位置などを微調整すれば設定は完了です.

3Dファイルの設定は各フットプリントごとに行わなくてはいけないので,めんどうですがやりましょう.
2U以上のキースイッチはスタビライザーの3Dモデルも設定しておくと良いでしょう.ProMicroも忘れずに.

ここまで設定出来たら,フットプリントを更新しておきましょう.すべてのフットプリントを更新というチェックボックスに☑をして更新します.

ここまでの設定がうまくできていれば3Dビューアーを開くとすべてのスイッチが3Dモデルで表示されているはずです.


表示オプションから,”3D挿入部品モデルを表示”をオンにするのを忘れないでください.



ちゃんと表示されていますね.

これで3Dモデルの設定は完了しました.

STEPは優秀

あとはエクスポートするだけですね.


ファイルからエクスポート,STEPを選択して保存場所を指定すれば変換されます.

STEPファイルの説明をしていません出たが,3Dモデルの中間ファイル形式としては最も有名で汎用性の高いものではないでしょうか.ほぼすべての3DCADでSTEPファイルは扱うことができるため,3DCADから別の3DCADへとモデルを移動する際にもよく使われます.


お好きな3DCADでファイルを開けばこのように基板と電子部品が3Dデータとして扱えます.ボディの設計をする際にはこれらのモデルがあると非常に便利かつ失敗無く設計が行えます.


ただ,基板のパターンは無いので,基板はただの緑の板ですね,残念.

私は使い慣れたFuison360でボディの設計をしています.
学生なら無料で使うことのできるとても優秀なCADですね.Fuison360についてはまたどこかで詳しく書こうと思います.

おわりに

今回はKicadで設計した基板を3Dデータに変換するやり方について書きました.

紹介したやり方は少し面倒ではありますが,エクスポートすればすべての部品が3Dデータになります.3Dデータの無いフットプリントをSTEPファイルとしてエクスポートした場合,電子部品の3Dデータは無い状態の基板のデータになります.
干渉などを気にする必要のない基板であればこのやり方がお手軽です.

次回こそはボディの設計に移りたいですね.

ではでは~








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