左にテンキーがあるキーボードが作りたい [7]

左にテンキーがあるキーボードが作りたい第7回です.

前回は少し脱線してしまいましたが,PCBの設計は変えないことにしました.
今回こそボディの設計をしたいと思います.

設計の前に

設計に移る前に,どんな部品が必要なのか整理します.

一口にキーボードのボディと言っても,形状は様々です.

アクリル板を積層するシンプルなボディであれば低コストで簡単に作れます.


こちらは過去に作ったキーボードですが,これはアクリル板で作っています.

キースイッチを固定するためのトッププレートと基板の下側にあるボトムプレートで構成されています.トッププレート,PCB,ボトムプレートをねじで固定するかたちですね.

アクリル板なのでレーザー加工機があれば簡単に作ることができます.材料もアクリル板さえ用意すればいいので低コストなのが利点でしょうか.アクリル故に剛性が足りない感じなのも事実で,この構造であればボルトを増やしてアクリル板の厚みも厚くすべきでしょう(2㎜だと貧弱).

これも十分素晴らしいですが,やっぱりもっと本格的なボディが欲しいです.


こちらはkbdfansで販売されているアルミ製のケースです.

どうせならこんな感じのボディが欲しいので,これを目指して設計を進めることにします.

ハードウェアの設計は得意

さて,まずはFuison360を立ち上げて基板の3Dデータを開きましょう.


スイッチやスタビライザーなどの部品はあらかじめ3Dデータを追加しておきます.Kicadに3Dデータを関連付けていれば,エクスポートしたままのファイルで問題ないです.


基板の両端で中立平面を作り,スケッチを書いていきます.
寸法は意外とテキトーですが,マージンを0.2㎜とっています.角度は8度で打鍵時の快適性を確保しています.

アルミの削りだしを想定しているので,加工に配慮した設計にします.


角のアールはR5.4でΦ10のエンドミルを想定しています.これにより,コーナーで円弧補間を入れられるのでビビりにくく,面精度を出しやすいです.

※外注する際には最小半径が小さいほど加工コストは高くなります(小さい径の工具を使わなくてはいけないため).

M2というのは加工者にやさしくないですが,基板の設計上もうM2以上には出来ないのでここは我慢します.ハンドタップするとなるとタップを折りそうでなかなか怖いですが致し方が無いです.


こんな感じでいかがでしょうか.加工性も確保しつつ,見た目についていもある程度配慮しています.この形状であればt30程度のA5052板を買えば作れてしまうので材料費は比較的低く抑えることができます.


スイッチを組み込むとこんな感じになります.装飾が少なく角ばったデザインなので,無機質で冷たい印象でしょうか.個人的にとても好きなデザインに仕上がりました.

おわりに

さて,3DCADで設計は終えました.基板設計,ボディ設計を終えたのであとはPCBを発注すれば作れます.

すぐにでも発注したところですが,送料の兼ね合いで他のキーボードのPCBも同時に発注しようと思います.

ということで,”左にテンキーがあるキーボードが作りたい”は今回で一旦終了(仮)になります.進捗があったらまた続きを書きます.

ではでは~

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